豆をもっと食べたい、でも戻すのが面倒という方も少なくないと思います。
でも、戻さずに使えて美味しい豆もあるのです。
今回は、戻さずに使える豆の中でも、レンティル(レンズ豆)についてお伝えします。
音声でも、ほぼ同じ内容をお伝えしています。こちらからお聞きください。
目次
1 レンティル(レンズ豆)とは?
2 レンティル(レンズ豆)の種類
3 レンティルの料理
①レッドレンティル
②ブラウンレンティル
③グリーンレンティル
④ブラックレンティル
1 レンティル(レンズ豆)とは?
戻す必要がない豆で、使いやすいものといえば、レンティル。
スープやカレー、シチューなどの汁物にそのままいれて10分~30分程度で火が通ります。
レンティルは、レンズ豆とも呼ばれます。
レンズの形に似ているからレンズ豆、と思いきや、レンティルの形に似ているから、カメラなどに使われるレンズの方がレンズと呼ばれるようになったのだそうです。
紀元前から長く食べ続けられている豆ですが、日本では生産されていません。
原産地はメソポタミア地方とされ、生産国は、インド、トルコ、カナダの順に多いそうです。
(日本豆類協会HPより)
また、イタリアでは大晦日の夜にレンティルの煮込みを食べる習慣があるのだそうです。
辻調理師学校のHPによれば、「レンズ豆の形が硬貨に似ているので、新年になったらお金が入りますようにという願いをこめてるらしい」とのことです。
2 レンティルの種類
日本で比較的入手しやすいレンティルには、レッドレンティル、ブラウンレンティルの二種類があります。
他に、丸みを帯びたグリーンレンティル(フランスのルピュイ地方のものが有名)、粒が小さいブラックレンティル、などもあります。
どれも、戻さずに使うことができます。
3 レンティルの料理
①レッドレンティル
レッドレンティルは、豆の皮が剥いてあるので、10分もしないうちに火が通ります。
ただし、煮ているうちにくすんだ黄色っぽい色に変わり、また、煮崩れしやすいので、スープやシチューなどに使うのがお勧めです。
トルコでは、レッドレンティルのスープ(メルジメック・
様子をみて崩れる前に取り出してサラダに加えたり、崩れることを前提にディップにしたりという使い方もできます。
ただし、先ほども書いたように、綺麗な色は加熱で失われてしまいます。
また、豆の旨味は皮の部分に多いので、豆の風味は他の種類に比べて薄いです。
とにかくはやく煮上がるので、手軽に使えるのがメリットです。
②ブラウンレンティル
ブラウンレンティルは、皮がついたままである分、レッドレンティルに比べると旨味が濃く、滋味深い味わいです。
シチューやカレー、スープなどに加えると、ブラウンレンティルならではの風味が料理の表情を変えてくれます。
例えばカレーなら、野菜を煮るのと同じタイミングで加えれば、じゃがいもや人参が柔らかくなるのと同じくらいの時間で煮上がります。豆の鮮度にもよりますが、15~30分程度でしょうか。
レッドレンティルのように煮崩れてしまうことはありません。
ウチの定番、鶏肉とレンティルのクミン風味煮
炊き込みご飯に入れても、ご飯が炊き上がるまでにブラウンレンティルも柔らかくなります。
ガラムマサラやターメリックとともに炊き上げれば、インド風の豆ご飯の出来上がりです。
日本のインド料理店でも、このレンティルを使ったカレーがメニューに載っているところが多いです。
ベーコンや鶏肉とブラウンレンティルを、ビールと昆布水半々で煮て、塩胡椒で味付けというのも美味。
また、茹でて甘く味付けをして食べても美味しいです。
(砂糖を最初から加えるのは茹で上がってからにしてください。砂糖が豆の中の水分を引き出してしまうことで豆が硬くなります。)
③グリーンレンティル
フランスのル・ピュイと言う村は良質のグリーンレンティルがとれることで有名で、AOC(原産地管理呼称)に認定されています。
このル・ピュイはオーベルニュ地方の村。オーベルニュに住んでいた時に訪れています。
風光明媚な美しい村でした。
豚足やメルゲーズソーセージ(スパイシーなソーセージ)とグリーンレンティルの煮込みは、フランスでよく食べられています。
グリーンレンティルは、他のレンティルと違い、少し丸みを帯びた形で、いわゆるレンズ型ではありません。
上品でいながら力強い旨味がある豆です。
グリーンレンティルも30分ほどあれば茹で上がります。
ブラウンレンティルと同様、シチューやスープなどに入れて使ってみてください。
④ブラックレンティル
ブラックレンティルには、ベルーガレンティルという別名もあります。
他のレンティルに比べると小ぶりで、丸みを帯びています。
ベルーガレンティルと呼ばれるのは、茹で上がった姿がキャビアのようにも見えるから。
下の写真は、パリのビストロで食べた時のもの。
料理の名前は、「貧乏人のキャビア」。
豆が小さいのではやく茹で上がるかと思いきや、20分〜30分ほど茹でても、食感が感じられる、パスタで言うところのアルデンテな感じです。
その食感のよさを活かして、シチューなどに入れるよりは、サラダなどに使うのがお勧めです。
レンティルは戻さずに使えて、とても美味しいお豆です。
我が家ではレンティルは常備品。家族みんなが好んで食べます。
豆を頻繁に食卓に載せたいと思ったら、まずはレンティルが簡単でお勧めです。
他にも、戻さずに食べることができる豆はありますので、またこのブログでご紹介していきますね。
2020年4月19日にオンラインで実施した料理教室「戻さずに使える豆」では、
レンティルの料理もご紹介しています。
***ビデオ受講はこちらから***
サカイ 優佳子
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