2週間でカラダが変わる?「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」を読んで

シリコンバレー式最強の食事

ダイエット本を手に取ることはまずないのですが、先日の読書会である方が紹介していた本が面白そうだったので、読んでみることにしました。

シリコンバレー式 自分を変える 最強の食事」(デイブ・アスプリー著 ダイヤモンド社)
2015年発売当時、かなり人気を博した本のようです。

祖父母はマンハッタン計画に携わっていた科学者というシリコンバレーの寵児が、30万ドルのお金と労力と10年以上の時間を費やして考案した「完全無欠ダイエット」法。

「常識」をくつがえす内容に驚き!でした。

ほぼ同じ内容の音声配信はこちらでお聴きいただけます。

目次
1 100人以上の専門家へのインタビューと「人体実験」に基づくダイエット
2 今までの「常識」とはまったく違う世界
3 どう感じたか


1 100人以上の専門家へのインタビューと「人体実験」に基づくダイエット法?


著者は、もともと140kgもあったとはいえ、このダイエット法をはじめてから、毎日500g痩せ、IQも20アップしたのだとか。
大した運動をしていないのに、腹筋は割れて理想の体型に。
と聞けば、興味をもつ人も多いのでは?と思います。

ダイエットに関する本は、きちんとしたデータに基づいて書かれたものが少ない(信憑性がないものが比較的多い)印象があります。これが、私がダイエット本にあまり手を出さない理由の一つです(失礼)。

そもそも、再現性がある科学として考えた場合、被験者を集めて「痩せた」としても、人を隔離して実験することはできないので、本当にその要因だけでダイエットに成功したかを特定するのは簡単なことではないはず。

また、栄養学の知見を、販売につなげたい企業が捻じ曲げて喧伝することも往々にしてあります。
その辺りが栄養学の難しさなのかなあと常々感じているところです。

さて、この本。
書店で目にしただけでは、手に取ることはおそらくなかったと思います。

読書会でこの本を持って参加してくださった方から、「100人以上の医療従事者、研究者、100人以上の一流のパフォーマンス専門家と対談」、「何を食べたらカラダがどう反応するかを機械でチェックしながら研究をした成果」と紹介されたことで俄然興味を持ったのです。

使ったお金も時間も労力も、個人としてはとにかく桁違い。
さて、その内容はどんなものなのでしょうか?


2 今までの「常識」とはまったく違う世界


著者は、バターコーヒーの発案者として有名なのだそうです。
これを朝一杯飲むことで、カラダヘの負荷なく空腹を抑え、1日18時間はお腹に他のものを入れないで過ごすことが提案されています。

見えないカビ毒の話
脂肪を食べても太らない(ただしどんな脂肪かは選ぶ必要がある)
果物が集中力とエネルギーを奪う
炭水化物は夜に摂るべし
運動を減らせばもっと筋肉質になれる
朝ヨーグルトを食べると太る
低温殺菌の牛乳は健康問題の元凶
大豆は納豆以外はダメ
植物油はヘルシーではない
玄米より白米がヘルシー

などなど、今まで「常識」と思っていたことが覆されるようなことが、裏付けとなる理論とともに記されています。

「完全無欠ダイエット」を考案する以前、ダイエットに苦労してきた著者は、「なぜこういうことを誰も教えてくれなかったのか?」と自問します。
その答えは、

「専門分野がバラバラの科学者の小集団がそれぞれに有用な情報を持っているから」

だから、それらを統合し伝えるのがこの本の役目、というのです。


3 どう感じたか


著者は日々のファスティング(断食)が大事と言います。
最近は、コロナのおかげで夕方6時過ぎにはご飯を食べて、朝ごはんは8時ごろまで摂らない生活なので、14時間くらいはファスティングしていることにはなりますが、最低16時間というのには届きません。

この本の世界は、「今までの常識」と大きく違うことで、正直なところ、頭が混乱します。

例えば、朝、フルーツやヨーグルトを食べることも多いので、これは完全に間違っていることになるし、ドライフルーツなどもっての外のようです。

納豆以外の大豆製品を食べることができないとなれば、醤油なしで和食を食べなければならないことになります。

小麦が一切ダメとなれば、パスタもパンもお菓子も食べられません。

さらに、チーズはダメ、ビールはダメ。

もちろん、著者が「食べてもいい」とする食材もたくさんあるし、それらを使ったレシピも掲載されているのですが、「食べてはいけない」ものの中に、好きなものが多すぎて、「とても無理」というのが正直なところ。

また特に大豆については、歴史的に長く食べてきた日本人は、もし大豆に悪いところがあったとしても、「その耐性ができているのでは?」と思いたいところでもあります。

肉や油についての考え方など、部分的には取りいれてみようかとも思います。

著者の考案した方法が本当に「完全無欠」なのかを試すには、まずは2週間のダイエットプログラムを教えられた通りに実践してみるしかないということになります。

私は無理なので、誰か試してみてもらえたらいいのですけれど。
料理が仕事ではなく、一人暮らしだったら、きっと一度は試してみたと思います。

 

 

3 件のコメント

  • 音声で伝えられるサカイさんのコメントが面白く読んでみたいと思いました。
    ただ、私は一切間食しない生活なのでファスティングや食に関して何かを取り組もうとの考えは全くありません。
    何よりも、今まで常識とされていた内容を覆す根拠を知りたいとの気分が強まりました。

    • コメントどうもありがとうございます。
      著者、相当に研究したのだろうなというのは、わかります。

  • 私の持ち込んだ本、記事に取り上げていただけてうれしいです。私もこの食事法をそのまま実践するのはムリですので、参考として多少取り入れる程度にしています。私が一番意識している概念は、マイケル・ポーランの「Eat food. Not too much. Mostly plants.」ですが、人類の歴史の大部分で摂食されてきた伝統的な食事が良い、という良識的な思想に対し、伝統や常識には間違いも多く理想を求める余地が多々ある、というこの著者の対照的な思想に惹かれました。ちなみに、私は長らく玄米食なのですが、この本を読んで、ヒ素やレクチン、カビなどのリスクを認識して、玄米や野菜を調理するようになりました。

    なお、私は様々な植物の微弱な毒性がホルミシスを刺激してそれが健康につながる、という説を信じており、スパイス料理もその一環として以前から興味を持っていました。ただし、難しいことを考えすぎずに、楽しくおいしく、バラエティに富んだ食事を家族や友人とリラックスして楽しむのが、一番健康的なように思えます(^^)。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
    東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

    食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
    料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

    料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

    著書14冊。メディア出演多数。

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