未来の世界で豆がもっと重要になるワケ〜「マメな豆の話」

サステナブル料理研究家、一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。

2011年からは特に、現代のライフスタイルに合わせた乾物の活用法の研究、発信に力を入れています。

日々の食卓を手軽に美味しく楽しみながら、キッチンから世界をみる眼を持ち続けたいと思います。

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以前、著者の文章を読む機会があり、この本「マメな豆の話〜世界の豆食文化をたずねて」(吉田よし子著 平凡社新書 2000)の存在は知っていました。

ちょっと前に読んだ「謎のアフリカ納豆を追え!」(高野秀行著 新潮社 2020)の中にも、この著書について書かれており、手に取ってみたのでした。

そして、豆の世界の深さ、広さ、著者の吉田さんが20年以上前に、在野の研究者としてここまで調べ、書物にしていたことに驚きました。

豆料理を学ぼうと思って手に取る本ではなく、世界にはどんな豆があるか、どんな食べ方をされているのか、なぜ豆は重要なのかなどを知りたい人には、とてもおもしろい貴重な本だと思います。

ほぼ同じ内容の音声配信はこちらでお聴きいただけます。

standFM 「サカイ優佳子の 食卓で世界旅行

目次
1 なぜ、豆はこれから重要なのか?
2 食べにくい大豆を食用にしたアジア
3 豆王国インドの豆利用法
4 新大陸の豆

1 なぜ、豆はこれから重要なのか?

豆を植えると、土の中に窒素が増えることになります

1966年から84年まで、ご主人の転勤でフィリピンに住んだ著者は、元農水省の技官。

熱帯植物を中心に、フリーの研究者としてその食べ方、加工法などを研究してきました。

そして、豆はこんな理由から、食料として重要なもの、と考えてこの本を記したと言います。

        • 21世紀に人口が増えれば、作った穀物を動物に食べさせてその肉を食べるという贅沢は難しくなる。豆なら、畑から収穫して直接食べる(料理する)ことができるタンパク源として重要

       

        • 一つの畑に、豆と他の植物を一緒に植えることで、作物の収量がアップする。これは例えばインドのラジャスタンでは、紀元前2800年から行われてきた。
          豆は根粒菌と共生していることで、空気中の窒素を取り込むことができるのです。
          窒素はご存知の通り、植物に欠かせない栄養です。豆を植えることは、空気中の窒素を、植物が取り込みやすい形で土に加えることになるのです。

       

      • 穀物の10〜20%の豆を食べることで、互いに不足する必須アミノ酸を補い合う

2 食べにくい大豆を食用にした東アジア

大豆は他の豆に比べると、

  • 煮た時に嫌な臭いが出る
  • 消化吸収が悪く大量のガスが発生する
  • カラダに悪い成分が煮るだけでは分解されない

などから、他の文化圏に広がらなかったのではないかと著者はいいます。

東アジアでは、豆腐、腐乳、納豆他、さまざまな工夫をして、大豆を食べやすく加工してきました。

保存がきく豆腐「豆腐干」の製法や、「腐乳」の種類などはとても勉強になりました。

腐乳にも、細菌型とカビ型があるのは初めて知りました。

また、アジア各地の納豆の加工法、食べ方の一覧は圧巻。

また西アフリカの納豆文化にも触れています。

3 豆王国インドの豆利用法

ヒヨコ豆だけでも、赤、緑、黒など種類がある?

インドには、さまざまな種類のヒヨコマメがあるらしい、、

ヒヨコ豆といえばコレ、と思っていましたが、形も大きさもさまざまなヒヨコ豆が、インドにはあるのだそうです。

ぜひ見てみたい、そしてもちろん食べてみたい!

ヨーロッパ型レンティルとインド型は違う

皮を剥いたレンティルはレッドレンティルと呼ばれます

レッドレンティルは、ブラウンレンティルの皮を剥いたものと聞いているものの、「ブラウンレンティルの中身はあんな鮮やかなオレンジ色ではないのにな」と不思議に思っていましたが、疑問が解けました。

インド型の場合は、中がオレンジ色ですが、ヨーロッパ型の場合はくすんだ黄色なのだそう!

また、豆を発芽させるとき、半分に割っただけのレッドレンティルは、ちゃんと発芽できるとは初耳。

これは近々試してみたいと思います。

他、さまざまな情報満載です。

ホースグラムは、豆を食べずに茹で汁を料理に使う

ホースグラムという豆を、以前に見つけて買ってみたことがあるのですが、茹でても茹でても柔らかくならず、一体どういうことだろうと思ったことがありました。

もう10年以上も前のことですが。

なんと、この豆は、基本は豆を食べるのではなく、茹で汁を料理に使うものなのだと知り、仰天です!

4 新大陸の豆

花豆は、芋もできる?

紹介されている豆の中には聞いたことのないものもいくつかありました。

例えば、タルウィーという豆は、タンパク質含有量は大豆に匹敵し、油脂量が落花生と肩を並べるのだそうです。

花もとても美しいとか。

これは注目ですね!

また、日本でも栽培されている花豆が、豆だけではなく、花も食べられており、また芋ができる豆で、これを食用にできることを初めて知りました。

また、モロッコインゲンは花豆のサヤであるとのこと。なんと!です。

 

5 他にもいろいろな情報が!

ウチの定番!テックスメックス風チリビーンズ

とにかく情報量が膨大なこの新書!

「食べられまい!」とする豆を

  • 煮る前につけておいた水を捨てる
  • 煮立ててから水を替える
  • 十分に火を通す
  • 発酵させて有害物質を除く
  • 豆腐のように良質のタンパク質だけを抽出する
  • もやしにする

などなど、さまざまな工夫をして食用にしてきたことを思うと、改めて人の執念、探究心のようなものを感じます。

我が家は皆、豆料理が大好き。

これからも、日本だけでなく、世界のさまざまな豆と豆料理を積極的に食卓にのせていきたいと思います。

 

 

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サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。 食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物の活用法を中心にしたレシピを開発。 料理教室、食に関する本のオンライン読書会などを主催。 料理教室対象に、オンライン化を含むサポートも行なっている。 著書14冊。メディア出演多数。 食に関するメルマガ「サカイ優佳子の 楽しく 美味しく未来を創る」などを発行している。 https://www.reservestock.jp/subscribe/113493

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