スライス干し椎茸を使うメリットと戻し方のポイント〜乾物料理のプロが解説

スライス干し椎茸

スライス干し椎茸と丸の干し椎茸、違いと特徴をまとめてみました。

戻し方のポイントにも触れています。

便利で時短になるスライス干し椎茸、上手に使いたいものですね!

サステナブル料理研究家、一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。
2011年からは特に、現代のライフスタイルに合わせた乾物の活用法の研究、発信に力を入れ、著書14冊(うち、乾物関連7冊)になりました。

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そして意外かもしれませんが、料理を時短にしてくれるのが乾物

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サカイ優佳子

 

1 丸の干し椎茸とスライスの干し椎茸の違い

スライス干し椎茸は、薄切りにしてから乾燥された干し椎茸です。

以前、干し椎茸問屋さんに伺ったのですが、スーパーでPOSデータを取ると、丸を買う人は丸ばかり、スライスの人はスライスばかりを買う傾向があることが分かったのだそうです。

ユーザーは二つにわかれているとのこと、おもしろいですよね。

私は、でも、両方使っています。

下の表に、丸の干し椎茸とスライス干し椎茸の違いをまとめてみました。

比較要素スライス
戻し時間短い/不要長い
香り薄い強い
旨み少ない多い

旨みが薄い理由

スライス干し椎茸は、薄切りにしてから乾燥させるので、乾燥時間が短くて済みます。

干し椎茸は、昔から65度程度の温度で乾燥されてきました(*)。

そして、その温度だと干し椎茸の細胞中に含まれる「リボ核酸(RNA)分解酵素」がよく働くことが分かっています。

リボ核酸分解酵素が活発化することによって、干し椎茸の旨み成分であるグアニル酸が生まれることも、また分かっています。

つまり、乾燥時間が短いと、グアニル酸が増えないのです。

スライス干し椎茸が、丸のものに比べて旨みが少ない理由はここにあります。

*今は機械がほとんどですが、昔は、薪や焚き火で乾燥していたそうです。

*ちなみに、「天日干し」と書いてある干し椎茸も、「天日でも干している」に過ぎず、天日だけで干しているわけではないのが普通です。

「天日干し」の干し椎茸は旨味が少ない?〜乾物料理のプロが伝授

香りが薄い理由

干し椎茸の軸

干し椎茸の軸(石突き)には旨みがたっぷりなので、これだけでダシをとっています

椎茸の香り成分は、軸の部分に多く含まれます。

スライス干し椎茸は、乾燥させる前に軸を取り除いてしまうので、その分香りが少なくなるのです。

参考 : 椎茸問屋 姫野一郎商店「老舗椎茸問屋が伝授!乾燥・干ししいたけの戻し方。 基本手順は3つだけ!

2 スライス干し椎茸を使うメリット

丸のものに比べれば、旨みも香りも少ないのに、ではなぜスライス干し椎茸を使うのでしょうか?

もちろん生の椎茸では存在しない成分が生まれていて、少ないとは言っても比較の問題です。

香りと旨みをしっかり主張はしてくれることは、誤解ないようにお伝えしておきますね。

さて、では私がスライス干し椎茸も使う理由をお伝えしますね。

①そのまま使えるから時短

干し椎茸入り味噌汁

スライス干し椎茸なら、そのまま味噌汁に入れることができる

汁物にはそのまま戻さずに入れても大丈夫です。

急いでいるときには、やはり時短で便利です。

②すぐ戻るから時短

炒めものなどに使う場合は戻す必要がありますが、表面積が大きいのですぐに戻ります。

10分から15分ほども戻せば使えるのは、やはり便利です。

③少ない水で戻るから、もしもの時に使いやすい

丸のままの干し椎茸より薄くコンパクトなので、少ない水で戻すことができます。

これは省資源でもあるし、①、②の特徴と合わせて、もしもの時にも使いやすいことにもなります。

主宰している「乾物防災食講座」では、備蓄として考えるなら、丸のものよりもスライス干し椎茸をおすすめしています。

④ベイリーフ(ローリエ)のような使い方ができる

これは椎茸問屋さんに教えていただいたのですが、スライス干し椎茸を、ベイリーフ(ローリエ)のように、洋風のスープや煮込み料理に数枚入れて煮ると、干し椎茸の味はせずに旨みを加えることができるといいます。

干し椎茸の旨み成分「グアニル酸」は、別の旨み成分グルタミン酸を感じやすくしてくれる働きがあります。

そんな使い方をするのにも、スライス干し椎茸は便利なのです。

では次に、そんなスライス干し椎茸の戻し方についてまとめてみますね。

3 スライス干し椎茸の戻し方

戻し時間

戻ったスライス干し椎茸

ギリギリ浸るくらいの水で戻しても大丈夫

上にも書いたように、スライス干し椎茸なら、水につけて10〜15分ほどで戻ります。

さらに早く戻すなら、お湯を使ってもいいと思います。

丸の干し椎茸については、できるだけ冷たい水でゆっくり半日以上かけて戻すと、ふっくらと戻り味も大きく変わりますが、スライス干し椎茸にはそもそも旨みが少ないので、温度や時間にこだわっても、それほど大きな差は出ないと考えられるからです。

水の量

水の量は、椎茸がやっと被るくらいの量があればいいです。

多くても問題ありませんが、戻し汁には旨みと風味がついた椎茸出汁(ダシ)なので、捨てずに料理にぜひ加えてください。

薄切りになっているので、戻るにつれて柔らかくなりしんなりしてくるため、丸の干し椎茸に比べて水はぐっと少なくてすみます。

そのまま使える場合にも、旨みアップのために戻した方がベター

グアニル酸生成

スライス干し椎茸は、汁物などにはそのまま入れて使えると書きました。

でも実は、そんなケースでも、もし時間があれば戻してから加熱する方がより美味しくなる気がしていました。

なぜかなあと思っていたのですが、椎茸問屋の杉本商店さんのホームページに、その理由と思われることが書かれていました。

  1. 生椎茸を乾燥させて干し椎茸にすると、椎茸の細胞核が壊れる
  2. 干し椎茸を水戻しすると、壊れた細胞核の中から水に溶けやすい性質を持つRNA(リボ核酸)が溶け出る
  3. RNAが細胞核の外側にある酵素(リボ核酸分解酵素)と出会い、グアニル酸が生まれる

椎茸粉についての記載ではあるのですが、「椎茸粉に少量の水を加えて10分間水戻ししてから料理に加えると旨みが約3倍強くなる」とあります。

調理前に戻すことで美味しくなると感じていたのは、水に溶けやすい性質を持つRNAが、より多く細胞核から溶け出すことによってグアニル酸がそれだけ多く生成されたということによるのではないかと推測しています。

参考 : 株式会社杉本商店HP「椎茸粉

まとめ

干し椎茸好きの人の中には、「スライスは使わない」とする人もいます。

ただ、もしもの時にも使いやすいのがスライス干し椎茸。

そして、少なめとはいえ、旨みと香りをプラスしてくれるので、普段の料理が、時短で美味しくなります。

「干し椎茸の旨みは好きだけれど、あの食感がいや」という人でも、スライスなら食べられる人も結構います。

その特徴を活かして、使ってみてはいかがでしょうか?

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サカイ 優佳子

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。 食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物の活用法を中心にしたレシピを開発。 料理教室、食に関する本のオンライン読書会などを主催。 料理教室対象に、オンライン化を含むサポートも行なっている。 著書14冊。メディア出演多数。 食に関するメルマガ「サカイ優佳子の 楽しく 美味しく未来を創る」などを発行している。 https://www.reservestock.jp/subscribe/113493

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