かんぴょう、買い求めて料理をすることはありますか?
かんぴょう巻を買って食べる、あるいはお寿司屋さんで食べる、ロールキャベツや餅入りの巾着を結んであるものを食べる、くらいしか食べないという方もいらっしゃるかもしれません。
目次
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1 そもそも、かんぴょうって何?
かんぴょうの原料は夕顔の実です。
収穫時期は酷暑の7月下旬から8月の上旬。
1つが8〜10kgにもなる大玉の夕顔の実の皮を剥き、実を薄く削って5cm幅くらいの長い帯のようにして、干して作ります。
夏に収穫されて冬まで保存できるウリ、冬瓜とは違って、日持ちしないために、生の実は地元で消費され、ほとんどが乾物として売られます。
生産現場の見学をさせていただいたことがありますが、夕顔の実は本当に重い!
そして、削るのは足踏みの機械を使うのですが、慣れていないとなかなか上手に使えません。
この機械を作る人がもういなくなってしまうというお話も伺いました。
干すのは真夏の大きなハウスの中。
特大の扇風機を回して乾かしていました。
中に入った途端に、クラクラ軽いめまいを覚えるほどの温度と湿気。
かんぴょうづくりは重労働だなあと思いました。
2 かんぴょうの産地は?
日本での産地は圧倒的に栃木県。
栃木県干瓢商業協同組合のHPによると、国内生産の98%が栃木県産だそうです。
2019年の生産量は260t。
でも、これ実は1980年の生産量の約1/15にまで減少しています(日本食糧新聞 2019年12月16日記事による)。
かんぴょうの80%ほどが海外、それも中国からの輸入です。
2018年の数字で1,096t。
3 かんぴょうは種類によって戻し方が違います〜漂白と無漂白の差
かんぴょうには、漂白したものと無漂白のものがあり、それによって戻し方が変わります。
漂白には二酸化硫黄を使っています。
これは、色を白くすることのほかに、虫やカビを防ぐためでもあり、漂白した方が日持ちがすると生産者の方に伺いました。
一般に売られているものは、漂白されているものが多いように思います。
無漂白のものは、さっと洗ってから5分ほど茹でれば下ごしらえ完了です。
漂白したものは、二酸化硫黄を落とすために塩もみという工程が必要になります。
さっと洗ってから塩をふってかんぴょうをしっかり揉みます。
そのあとよく水洗いして二酸化硫黄を落としてから、5分ほど茹でます。
4 かんぴょうはどう料理する?
かんぴょうの原料はウリと思えば、もっと料理の幅が広がるのではないでしょうか。
例えば炒め物に。
沖縄には、かんぴょうイリチーという料理があります。
豚肉や干し椎茸とともにみりん(あるいは砂糖)と醤油で炒め煮にするもの。
ご飯が進むおかずです。
普通に肉野菜炒めに加えても。
変わったところだと、スイーツに。
これはりんごと一緒に、砂糖を入れた白ワインで煮ました。
5 かんぴょうの栄養から考える上手な食べ方
かんぴょうには、カリウムが豊富に含まれると現地の方々はおっしゃっていました。
ただ、カリウムが100g中1800mgはとても多い数字ですが、茹でるという工程で相当に流出してしまいます。
茹でたあとだとカリウム100mg(文科省が「日本食品標準成分表」より)。
かつては、精進料理でかんぴょうで出汁をとるということをしていたのだそうです。
やってみると、今の味に慣れた私にとっては、うっすらとした出汁と感じられました。
でも実はこれ、水に溶け出してしまうカリウムをとるためには理にかなっています。
ただ、上に書いたように、漂白かんぴょうだと、塩をして揉んで水洗いするという中で、茹でる前にすでに相当量のカリウムが流れてしまうと考えられます。
なので、無漂白のかんぴょうを使うことになります。
かんぴょうをさっと洗ったら、下ゆでをしてから料理をするのではなく、そのまま料理に、例えばお味噌汁やスープなどの汁物に入れれば、かんぴょうに含まれるカリウムを余すところなくとることができるというわけです。調理している間にかんぴょうは戻ります。
また、茹で汁を捨てないでお味噌汁や煮物などに活用するなども考えられます。
ぜひ、こんな食べ方も考えてみてはいかがでしょうか?
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