数年前のことになりますが、高野豆腐の製造会社の方から、
「当社の新製法で、従来品に比べて大幅に減塩となりました」
という説明を受けて、「高野豆腐ってそもそもしょっぱくないのに」と不思議に思ったことがありました。
さて、減塩とはどういうことなのか。
こんなお話を伺いました。
ほぼ同じ内容の音声配信はこちらでお聴きいただけます。
高野豆腐に塩分???
そもそも、高野豆腐には塩分を感じたことがありません。
でも実は、膨軟剤に重曹(重炭酸ソーダ)が使われている高野豆腐には、1個16.5gにつき、7.26mgのナトリウムが含まれているというのです。
これを95%減、1.2mgにまで削減し、代わりに塩分排出効果が期待されるカリウムを約23倍に増やすことに成功したとのこと。
膨軟剤を、重曹から、炭酸カリウムに切り替えたのだと言います。
ちなみに、ナトリウムの食塩相当量を計算する式は
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1,000
ということなので、従来品は0.018g、約0.02gの食塩相当量。
そこから95%減塩して、食塩相当量0.0003gになったということになります。
それだけのこと???とも思いましたが、調べてみると、、。
世界保健機関(WHO)のガイドラインによれば、人が必要とするナトリウムは、 200〜500 mg/日。
食塩相当量にして、0.5gから1.3g程度とのこと。
日本人の食事摂取基準(2020年版)によれば、1日に男性が7.5g、女性が6.5gとされていますが、実際の平均摂取量がそれぞれ10.8gと9.2g。
また、減塩が必要とされる病気の治療のためには、6 g/日未満の食塩摂取量が望ましいとされています。
なかなか減塩が難しいとされている中では、こうした小さな積み重ねが大事なのかもしれません。
実際、お客様からのニーズによって、この検討が始まったと聞きました。
切実なんですよね、減塩食を強いられている方からすると。
2016年に旭松食品株式会社がこの技術を開発したことで、食品産業センターによる食品産業優良企業等表彰で、農林水産大臣賞をとっています。
塩分を気にしている方は、膨軟剤に何が使われているのか、ちょっと気にしてみてくださいね。
<ビデオ講座>高野豆腐自由自在
https://www.reservestock.jp/stores/article/21439?article_id=27369
サカイ 優佳子
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