【乾物】高野豆腐をプルプルに戻すポイント

高野豆腐

先日、こんなご質問をいただきました。

高野豆腐を子どもが食べやすいようにレシピを考えているのですが高野豆腐を熱湯で戻した際に、固さや食感にムラができてしまいます。豆腐に近い食感にしたいのですが、お湯の温度など気を付けるポイントや戻し方にコツがあるのでしょうか。味付けなどは熱湯で戻した後に行っています。よろしくお願いいたします。(Hさん)

豆腐に近い食感になるよう、柔らかく戻したい
そのために熱湯で戻してみた
でも固さや食感にムラができてしまった
味付けは戻した後にしている

ということで理解し、これに対しての回答を試みます。
(ほぼ同じ内容を、音声でもお伝えしています。こちらから)

目次
1 まずは、高野豆腐の基本を押さえておきましょう
⑴ 膨軟剤の種類には3つあります
⑵ なぜ高野豆腐は調味液で煮なければならないのか
2 高野豆腐を熱湯で戻したら
⑴ 高野豆腐を熱湯で戻す方法
⑵ 何が問題だったのか、の推測


1 まずは、今の高野豆腐の基本を押さえておきましょう



⑴膨軟剤の種類には3つあります

高野豆腐には、調理時間の短縮、食感の改善のために膨軟剤が添加されています。
その種類は概ねこの3つに分類されます。

アンモニア
炭酸水素ナトリウム(重曹)
炭酸カリウム

かつてはアンモニアが添加されており、アンモニア臭の除去のために、戻して、濁った汁が出てこなくなるまで手で挟んで絞ってはまた水に浸けることを繰り返す必要があったのです。

それに変わって添加されるようになったのは、炭酸水素ナトリウム=重曹。
これによって、あらかじめ戻す必要がなくなり、調理が格段に楽になりました。

ただ、重曹を添加すると、塩分(ナトリウム)が高くなり、特に塩分の制限がある方々には、高野豆腐を安心して食べることができないという問題も指摘されてきました。

そのため、高野豆腐製造の大手、旭松食品(株)が開発したのが、重曹の代わりに炭酸カリウムを添加するという方法です。
これによって、「従来品よりもナトリウム含量を約95%低減、カリウム含量を25倍以上にすることを実現し、抗高血圧という意味でより健康な食生活をサポートする食品となった」ことで、旭松食品は農林水産大臣賞を受賞もしています。

今後はこうした方向に変わっていくと思われます。


⑵なぜ高野豆腐は調味液で煮なければならないのか

以下は、上の炭酸水素ナトリウム(重曹)あるいは炭酸カリウムを添加している高野豆腐についての話になります。

高野豆腐のパッケージには、お湯のまま煮るのではなく、調味した液に入れるように注意書きがあります。
膨軟剤はアルカリ性で、繊維を柔らかくする作用があります。
お湯にそのまま高野豆腐を入れると、その作用で高野豆腐の繊維が柔らかくなって煮崩れてしまいますが、調味液=塩分が加わることでアルカリが中和されて、煮崩れずに済むというわけです。
また、炭酸カリウムは重曹に比べて水に対する溶解度が大きく、またアルカリ性も高いため、この作用はより強くなることが考えられます。
京山城屋で知られる(株)真田のHPのQ&Aには、以下のようにあります。

(高野豆腐は)膨軟剤として「重曹」を使用しています。これは煮汁の塩分で身が締まることを想定し添加していますので、お湯だけで煮るとドロドロに煮溶けてしまいます。必ず調味液で煮てください。


2 高野豆腐を熱湯で戻したら



⑴高野豆腐を熱湯で戻す方法

数年前にNHKで紹介されたのが、高野豆腐を熱湯で戻すというもの。
膨軟剤の作用を逆に利用して、高野豆腐を、従来の含め煮などに使う場合よりも柔らかくプルプルに戻す方法として話題になりました。
その方法は以下。

高野豆腐2個に対し、1リットルの水を土鍋に入れ、加熱する。
沸騰したら、火を止め、高野豆腐を入れ、軽く沈めたらすみやかにフタをして4分放置。
湯豆腐の要領であつあつでいただく。

私も試してみましたが、高野豆腐が驚くほど大きく膨らみ、プルプルになりました。


⑵ 何が問題だったのか?の推測

ただし、これをそれ以上放置しておくとプルプルだったものが崩れて、豆乳状態になってしまいます。
オンラインの料理教室でおまけでご紹介した時に、他の料理を作っている間放置していたら、豆乳!に成り果てていました。

4分経ったところで調味液を加えることでアルカリ度が中和され、膨軟剤の働きを抑えることは可能と思われます。
実際、以前、この方法でふっくら膨らんだ高野豆腐に醤油をかけた途端にシュッと小さく縮まりました。
なので、調味液を高野豆腐に直接かけるとその部分だけが縮まる(硬くなる)可能性もあると考えられますので、調味料を足す時にはその点注意が必要かもしれません。

また、ムラができたということですが、お湯にしっかり浸かっているところとそうでないところがあったのかもしれません。
2個に対して1リットルというのは、かなり多いという印象を私も最初受けましたが、この量が必要ということなのだと思います。
簡単に冷めないようにということと(土鍋に入れているというのも同じ理由)、高野豆腐が膨らんでも自ら浮かないようにという二点の意味で。

さて、これでHさんの疑問が氷解して、お子さんのためにプルプル食感の高野豆腐を作れるようになると良いのですが。

 

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