大豆の食物繊維で、むしろ便秘になる?〜ご質問への回答〜

便秘イメージ

「ダイエットのために大豆ばかり食べていたら、ものすごく便秘になったとある方に聞いたのですが、そんなことってあるのでしょうか?」

そんなご質問をいただいたので、それに関してお答えしますね。

サステナブル料理研究家、一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。
2011年からは特に、現代のライフスタイルに合わせた乾物の活用法の研究、発信に力を入れています。

食品ロス削減、省エネ、もしもの時の備えになり、そして意外かもしれませんが、料理を時短にしてくれるのが乾物
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サカイ優佳子

 

1 大豆に含まれる食物繊維

便秘の女性

2種類の食物繊維と多く含まれる食物

食物繊維には、2種類あります。

水に溶けやすい性質を持つ「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」です。

以下に、代表的な食物もあげてみました。

水溶性 体内水分との関係 多く含まれる食物
水溶性食物繊維 水に溶けやすい 水を保持する力が強く、便をやわらかくし、便を出しやすくする。 昆布、わかめなどの海藻類、果物、芋類、大麦、オーツなど
不溶性食物繊維 水に溶けにくい 胃や腸で水分を多く吸収して大きくふくらみ、便の量が増えることで蠕動運動( ぜんどううんどう )を活発にする。 穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実など

 

便秘解消に役立つと言われる食物繊維ですが、便秘の原因によってその解消のために向いている食物繊維は違うようです。

 

根本原因 体の中で 便の状態 注意点 おすすめ食材
痙攣性便秘 自律神経の乱れなど 大腸の一部が痙攣することで起こる コロコロ便、便秘と下痢を繰り返す 不溶性食物繊維は刺激になるので取りすぎ注意 ガム質を多く含む食品 : オーツ麦( カラス麦 ) 、大麦 、ライ麦など
弛緩性便秘(日本人に最も多い) 筋力が低下することで、いきむ力や蠕動運動が弱いことで起こる 大腸の糞便通過時間が長くなり、水分が多く吸収された結果、便が固くなる 硬く太い ペクチンを多く含む食品 : りんご などの熟した果物 、キャベツ などの野菜
直腸性便秘 便意を我慢する習慣で起こる 直腸内に便がたまって水分が吸収されるため、硬くなった便が蓋をした状態 硬い 藻類多糖類を多く含む食品:コンブ 、モズク 、ワカメ 、ヒジキ

(参考 : おおかど胃腸科クリニック植木外科クリニック社会福祉法人済生会つくし野駅前内視鏡クリニックなど)

すでに詰まり気味の人が不溶性食物繊維を多くとると、むしろ便秘を悪化させてしまうことがあります。

また、不溶性の場合は、体内で水分を大量に吸収することから便がさらに硬くなりやすいことには注意が必要です。

そして、痙攣性便秘の人は、不溶性食物繊維が大腸を刺激するため、摂取は控えめにするようにと医師は口を揃えています。

上の表の一番右にあるおすすめ食材は、つくし野駅前内視鏡クリニック さんのサイトに書かれていました。

そして、これらはいずれも水溶性食物繊維を多く含む食材です。

便秘で困っている人は、参考にしてみてください。

ただ、すでに便秘で困っているケースでなければ、水溶性と不溶性、どちらも食べることが重要というのが、専門医たちの意見です。

大豆に含まれる食物繊維は、不溶性が多い

ミックス大豆

いろいろな大豆

ところで、質問にあった大豆に含まれる食物繊維はどちらなのでしょうか。

「日本食品標準成分表2015年度版(七訂)によれば、大豆に含まれる水溶性食物繊維は100g中0.9g、不溶性食物繊維が5.8gです。

不溶性食物繊維の方が、断然多いのです。

なので、「大豆ばかり」食べると、便が硬くなってしまうことが考えられます。

2 そもそも大豆はダイエットに向くのか?

ダイエット女性

さて、ご質問にあった方は、ダイエットのために大豆ばかり食べたとのことですが、大豆はダイエットに向くのでしょうか?

大豆は、豆の中でも脂肪分が多く含まれています。

公益財団法人日本豆類協会のサイトに、炭水化物が多いタイプの豆であるあずきと、資質が多いタイプの大豆との成分比較がありました。

栄養成分の構成割合
(乾燥豆100g当たりの含有量 単位:g)

炭水化物 タンパク質 脂質
あずき 58.7 20.3 2.2
大豆 29.5 33.8 19.7

私は栄養士ではないので、詳細には立ち入りませんが、植物性タンパク質やミネラル類を含む良さはあるものの、水煮大豆は100g換算で約140kcalなので、白米100gで168kcal(「日本食品標準成分表(七訂2015年版)」)よりカロリーが高いことは、認識しておく必要がありそうです。

まとめ

ご質問では、ダイエットのために「大豆ばかり」食べていらしたということなので、摂取する食物繊維が不溶性に大幅に偏っていたということなのではないでしょうか。

食べることについては、「ばかり」はよくないなと改めて感じました。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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