「油麦菜」の美味しい食べ方

油麦菜

油麦菜という野菜、ご存知ですか?

2021年の春、おまかせの野菜セットの中に入ってきて出会いました。

クセがなく食べやすい葉物です。

原地での使い方についても調べてみましたよ。

私はふだん、らでぃっしゅぼーやという宅配システムを利用しています。

その中でも好きなのが、「いと愛づらし野菜」というセット。

あまり普通には売っていない野菜を、毎週3種類お任せで届けてくれるのです。

そこで出会ったのが、油麦菜という野菜でした。


  

1 新顔野菜「油麦菜」

油麦菜

家族が丸めて捨ててしまっていたのを救出w。しわくちゃですが読めるでしょうか?

野菜についての説明と、簡単なレシピが、この写真のようについてきました。

油麦菜とは?

  • 中国南部で昔から栽培されていたレタスの仲間
  • 結球しない
  • 特に台湾では「A菜」と呼ばれて一般に知られる野菜
  • 日本では、ムギレタスと呼ばれる

油麦菜の特徴

(らでぃっしゅぼーやの解説による)

<油麦菜の特徴>

  • 生食よりも、油で炒めるのに向いている
  • 普通のレタスより栽培しやすい(寒いのにも暑いのにも強い)
  • 甘味がある
  • 炒めると、とうもろこしのような香ばしい香り

油麦菜を食べた、とfacebookに投稿したら、北京で仕事をされていた方から「油麦菜は、自家栽培ですか。北京に住んでいた時に良く食べました。懐かしい姿です。」というコメントをいただきました。

中国南部だけではなく、北京でも食べられているのですね。

2 茎チシャと同じ?

茎チシャ

上海の市場で売られていた茎チシャ

日本のサイトで「油麦菜の薹が立つと、ヤマクラゲになる」としている記載を見つけました。

ヤマクラゲは、茎チシャ(ステムレタスとも呼ばれます)から作られる乾物のことを言います。

中国に暮らしたことがある日本人のほとんどが、「茎チシャは美味しい!」と言います。

茎チシャの和えもの

茎チシャの和えもの。北京にて。

茎チシャの炒め物

上海に家があった頃、大家さんの奥様にご馳走になった茎チシャの炒めもの

茎チシャは私も大好きなので、驚いて調べてみました。

中国語の複数のサイトで確認したところ、これはやはり間違いのようです。

ヤマクラゲ

茎チシャを干すと、ヤマクラゲと呼ばれる乾物になります

茎チシャ(中国名 萵筍 ウォスン)と、油麦菜(ユーマイツァイと読み仮名が振られていましたが、ヨウマイツァイの方が近いのでは?)は、同じ種類に属するそうですが、違う野菜とのことでした。

そして含まれる栄養も、違うようです。

它(油麥菜)含大量維生素和鈣、鐵、蛋白質、脂肪、維生素B1、維生素B2等營養成分。油麥菜的營養略高於生菜,而遠優於萵筍。同萵筍相比,油麥菜的蛋白質含量高40%,胡蘿蔔素高1.4倍,鈣高2倍,鐵高33%,硒高1.8倍。

油麦菜には、カルシウム、鉄、タンパク質、脂肪、ビタミンB1、ビタミンB2などの多くの栄養成分やビタミンが含まれています。油麦菜の栄養は、レタスより少し高く、茎チシャよりはるかに優れています。茎チシャと比べると、油麦菜は、タンパク質が40%多く、カロチンは1.4倍、カルシウムは2倍、鉄は33%多く、セレンは1.8倍含まれています。

每日頭條「油麥菜和萵筍葉是一種菜嗎?口感差不多,營養卻差很多」
https://kknews.cc/food/npy66eq.html

3 食べてみたら

イカと一緒に炒めてみました

ある日の昼食。一夜干しのイカと一緒に炒めてみました

炒めてみました

茎のあたりを触った感じは、ロメインレタスに似ています。

ある日の昼食に、生姜のみじん切りとイカの一夜干しと一緒に炒めて、ナムプラー、オイスターソースで調味して食べてみました。

後から思えば、油麦菜だけでシンプルに炒めてみれば、より特徴が把握しやすかったのですね。

この調味法だと、トウモロコシに似た甘い香りまではキャッチできませんでした。

シャキシャキの食感が、いい感じです。

豚肉と油麦菜(A菜)のナムプラー炒め煮

こちらは、別の機会に作ったもの。

フライパンに油をひき、豚肉と油麦菜を一緒に入れてさっと炒め合わせたら、蓋をして蒸し煮にします。

ナムプラーで調味するだけ(苦手な人は醤油や白醤油でも)。

最後に香菜も刻んで入れてひと混ぜして胡椒をふって仕上げました。

油麦菜の香ばしさとシャキシャキ感が、とても美味しく感じられました。

生産者が勧める食べ方例

昆布とカツオで取った出汁に1分ほどくぐらせて、しゃぶしゃぶにする(えびな美食農プロジェクト)

これは、試してみたいです。

「今後生産体制を整えていく」と、2020年1月の記事に書いてあるので、これから日本の市場にも出回ってくるかもしれませんね。

以前食べたのは、ながさき南部生産組合さんのものでした。

このブログを修正していたら、また油麦菜が届きました(2021年5月27日)。

今回は、くらぶち草の会(群馬県)さんのもの。

おすすめの食べ方として以下をあげています(前回と同じでしたw)。

  • 炒めて塩胡椒だけで調味する
  • ベーコンとともに炒める

*歯応えが残るように、軽く炒めるのがおすすめだそうです。

近日中にまた食べてみて、書き足さねば。

4 現地(中国、台湾)での食べ方

さて、現地ではどう食べているのでしょうか?

ちょっと調べてみたところ、「豆豉鯪魚」という缶詰と一緒に炒めているレシピがたくさんありました。

この缶詰については、以下のサイトに詳しいので興味のある方はお読みくださいね。

「魚に詳しいあなたは謎の中国魚缶詰『豆豉鯪魚』を知っているか?

5 レタスのレシピを応用

残念ながら、油麦菜が地元で簡単に手に入らないので、レタスを使って作った時の写真を入れています。

このレタスを油麦菜に置き換えても、おいしいく食べることができそうです。

レタス(を油麦菜に替えて)とグリーンピースのスープ煮

グリーンピースとレタスのフランス風煮

フランス在住時にお隣のマダムピロラに習った、レタスとグリーンピースのスープ煮は我が家の春の定番

レシピというほどではないのですが、大体こんな感じで適当に作っています。

  1. ベーコンを脂が出るまで炒める
  2. オリーブオイルを足して、玉ねぎとレタスとグリーンピースを加えてさらに炒める
  3. 鶏がらスープを加えて煮る
  4. 塩胡椒で調味する

*グリーンピースがない時は、他の豆やピーマンなどを入れても。

調理法

  • 生で食べる
  • 炒めものに
  • 蒸し煮に
  • さっと茹でておひたし風にする
  • お味噌汁やスープに入れる

「炒めた方が美味しいレタス」として油麦菜のようなものが出回るようになれば、レタス=サラダ以外の食べ方も広まるでしょうか。

新顔野菜の油麦菜、また食べる機会があるといいなあ!

そして2023年の初夏に、家族が「こんなのみつけた!」と

千葉の直売所で買ってきてくれました。

「すでに何度も食べてるのになあ、、」と思ったのですがw。

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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